企業見学会

アクティブ・ラーニングの一環で石川酒造の工場見学を、「ベンチャー・ビジネス論」と「多国籍企業論」の講義の一コマで行いました。石川酒造は、幕末1863年に13代石川彌八郎が創業し、14代が創価大学に程近い福生市に現在の酒蔵を作りました。150年を超える長寿企業でもあります。また、東京の蔵元(10社)で自社醸造(7社)し、敷地内で飲食・販売店(2社)をもつ「酒呑みのテーマパーク」という革新的企業としても注目されています。

敷地内の酒蔵にて
敷地内の酒蔵にて

今回は、18代石川彌八郎(太郎)社長にお話を聞かせて頂き、敷地内の江戸・明治期の6棟の国登録有形文化財をはじめ、酒蔵やビール工場等を案内していただきました。日本酒売り上げピーク時の3分の一以下、地ビール最盛期企業数半減という業界環境悪化による自社売り上げの急落にもかかわらず、利益を拡大しているといいます。その秘密は、売上の内4分の一程度を占める敷地内の飲食店(和食・そばとイタリアンの2店舗)と売店だそうです。とりわけ売店には、驚くほどの種類の日本酒とビールが、また地域内企業との共同開発の菓子類も並んでいます。3年生以上の講義のため、ブランド「多摩自慢」、日本酒の梅酒「八重梅」、蒸留も過熱もされていない敷地内限定販売の「かめくち」等を試飲し、商品開発への情熱を感じました。敷地内売店は、単なる直接販売(流通中抜き)による高利益だけではなく、酒呑みとの直接の交流による事業充実の起点となっています。

18代石川彌八郎(太郎)社長
18代石川彌八郎(太郎)社長による企業経営のお話

250年間に渡る当主日記や古文書を先代が19巻の書籍で整理・出版しました。現当主である社長は、それを読み解き、老舗企業の経営にはチェンジ・チャレンジ・チャージという3Cサイクルがあり、自分の代の役割をチャージ(事業の維持・充実)と考えていると言われました。継続事業体(going concern)として企業を考える時、奥深い意義を感じます。今単一的グローバル化が叫ばれるなか、他方で地域企業だけでなくグローバル企業にも本国と進出先国での多様な地域社会に対し貢献することが求められ、グローバルにローカルな生活の質を高めるグローカル段階に入るべきとの声も強くなってきています。企業は、地域内で、各地域ニーズを深く掘る商品やサービスを提供し、質の高い雇用を開発・拡大し、地元企業を育成する等の地域社会への責任が求められてきているのです。石川酒造の経営から学ぶことは大きいと言えるでしょう。

石川酒造株式会社ホームページ