WBCSD

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WBCSDは国際連合や国際労働機関のような巨大国際機関に比べてその組織規模は決して大きくはないが、その影響や精神は世界中の企業に広く浸透し、特に多国籍企業に対して大きな影響を与えている。それは、現代の多国籍企業はその経済活動の範囲の広さなどから、良くも悪くも、地域レベルだけではなく、グローバルレベルで非常に大きな影響力を持ち、さらに、多国籍企業にはもはや国境という言葉は存在せず、その活動は直接世界の経済、環境、社会に影響を及ぼすことから、多国籍企業は常にそれらの面での持続可能性を考慮しなければならない。そうでなければ、企業の経済活動に直接の影響を持つ地域や政府、またNGO団体との健全な関係を築くことはできないのである。そしてそれらに受け入れられなければ、最悪の場合、巨額な損害賠償や企業の撤退など様々な問題を起こしうるのである。

WBCSDは仲介者として、多国籍企業に持続可能な発展に関して考える機会を与え、そのためにはどうすればいいのかという答えを導き出すための様々な運動を通して、多国籍企業が世界規模の真の持続可能性と平穏をもたらすための手がかりを与え続けている。WBCSDは署名団体から代表を招集し、それらの代表に持続可能性に関して考えることがいかに大切なことなのか、持続可能性を向上させるためのプロセスで生じるコスト等のリスクにはどのようなものがあるのか、また、持続可能性を積極的に向上させることで企業はどのような恩恵を受けるのか、等々を企業に伝えている。

近年、多くの消費者は持続可能性を考慮しない企業からのサービスや商品を購入し使用することをためらうようである。それは、そのような企業は現在の社会ではどのような形でも正当化されることないからで、消費者だけではなく、投資家も持続可能性を積極的に社内の魍魎に取り入れ、マーケティング戦略の一部として持続可能性を利用する企業を投資のターゲットとして探す。逆に、企業が持続的な発展をしていなければ、それが企業の信用、評判の失墜に直接かかわり、ステークホルダーに関わる多くの人々を失望させる結果となる。

持続可能な発展の概念はCSRに大きく関わる。CSRはヨーロッパで流行をみせ、日本でもその流行をみせているが、CSRに関する認識は多種に異なる。今後、より多くの多国籍企業が、WBCSDと共同し持続可能性の面に磨きをかけた経営を行い、大規模の企業だけではなく、中小規模の企業も持続可能性とCSRを考慮した、健全な経営を推進することが予期される。