ILO(国際労働機関)

国際労働機関

1919年、ILO(国際労働機関)は設立された。設立した理由として、労働に従事する人々の権利を保障するため、労働環境を向上させるための2点からである。ILOの主な仕事として3つに分けられる。1つ目が、基準を毎年作成すること。2つ目に、技術協力。3つ目に、様々な今日の問題、特に労働問題について研究している。ILOは国際機関の中で唯一、政府・経営者・労働者という‘三者主義’で動いており、様々な立場の意見を反映させようと試みている。

今回、ILOで3つの講義を聴いた。最初の講義は‘Decent Work’を実現するためにどう行動を起こしているのかを学んだ。Decent Workの機会を男女全ての人に確保することがILO活動全体の目標である。それを達成させるためにも、まず4つの戦略目標を設定している。‘仕事の創出’‘仕事における基本的人権の保障’‘社会保障の拡充’‘社会対話の推進’である。この4つの戦略目標を大きな柱とし、彼らの考える目標実現に向け様々な活動を行っている。例えば‘仕事における基本的人権の保障’の中には結社の自由及び団体交渉権、強制労働の撤廃、児童労働の廃止、職業、雇用上の差別撤廃がある。この4つの基準は、中核的労働基準と呼ばれており、この4つの基準だけは、すべての国々が守らなければならないことになっている。

また、児童労働完全撤廃を目指して、1992年IPEC(児童労働撤廃国際計画)が発足された。政府、労働者・使用者団体、NGO(非政府組織)、学校、メディアなど、多くの関係者とパートナーシップを結び、活動を行っている。活動の例として、児童労働を予防し、危険な仕事をしている子どもを救出し、教育や成人家族の所得手段など児童労働に代わる選択肢を提供している。

1960年代から1970年代にかけて、多国籍企業は国の統治者を脅かすほどの発展を遂げ、それにより児童労働、強制労働、劣悪な労働条件、賃金の低さなどが世界的な問題になってきた。そこで多くの国が多国籍企業の行いを規制するための国際的文書作成の実現を望んだ。これを受けてILOは1977年11月、「多国籍企業における社会政策に関する三者宣言」を採択したのである。この文書の目的のひとつとして、多国籍企業が経済的、社会的発展のために貢献することを促進することであり、二つ目に多国籍企業がもたらす諸問題を最小限にし、また解決していくことである。

今年、2007年はこの文書が採択されて三十周年である。ILOはこれを記念して、記念祭を催したり、より三者宣言を広く知ってもらうために、時代に合った新しい三者宣言の作成に取り掛かっている。今日、ILOの三者宣言だけでなく、OECD多国籍企業ガイドラインや国連のグローバル・コンパクト、GRIやISOなど、あらゆる機関で多国籍企業のあり方について提示している。グローバルコンパクトの‘労働’の原則にはILOが作成した中核的労働基準の4つがそのまま採用されている。このように、これらの機関と敵対するのでなく、共に「対話」を通して協力し合い、パートナーシップを組むことによって、より労働基準を明確化し、良い労働環境を作っていくことができる。

これからも益々協力し合い、強固なDecent Workを実現していってほしい。