担当教員のインタビュー

栗山 直樹 教授

今までのGPの成果

栗山 直樹 教授

グローバルプログラムは、それまでのビジネス英語の集中講義と、終了後の経営学の専門領域におけるフォローアップや上級ビジネス英語の継続の中間地点にあります。4年間の語学学習と専門の勉強を継続するには、地道な努力と忍耐が必要ですが、このグローバルプログラムが大学生活の真ん中にあることで、大きな成果が得られたと思います。英語の能力向上と企業経営の世界の最先端の動きを体験学習することにより、もっと勉強したいという問題意識とやる気につながっているからです。GP終了後、継続手的に上級英語などをほとんどの方が履修しているのをみても明らかです。

もちろん、この3年間の実施で、世界におけるCSR(企業の社会的責任)の展開につき大きな成果を得て、学生が自ら行った実地調査としては日本トップレベルのものであることは間違いありません。

今年までに1期の23人が卒業しましたが、企業のCSR専門部署に就職した人や、一流企業で国際業務などに携わる人、海外の有名大学院でさらに研究の道を歩んでいる人など大きな道を拓いています。

―GP Asiaの意義

3年間の成功を踏まえて、GPアジアを2008年2月に実施することになりました。これは、ここ数年、アジア地域でのCSRに対する関心が高まり、ある意味で日本より取り組みが活発化しています。シンガポール、マレーシア、香港、中国のどの国においても多国籍企業、政府、NPOなど最大の関心事といってもよいくらいの盛り上がりを見せています。また、主要な大学・大学院でCSRコースが設立されるなど発展し、その上、学生主体で活動を展開している状況です。企業経営を勉強するものとして、アジアの一員としてこれらの専門かや学生と問題意識を共有し、その実践に学ぶということが多きな 課題として浮かび上がってきたのです。今回のGPアジアはそれに応えるものとして企画・運営されます。欧州で学んできたCSRの動きを、今度はアジアで発展的な勉強をするといった、学生による自発的研究の連鎖が起こることと期待をしております。

―GPのこれからの展望。

GPは今後、さらに発展し、経営学部の教育の大きな柱になることは間違いありません。今年度より、新たにStudy Skills for Global Businessを1年次に設置したり、GP終了後の英文報告書をさらに深めるため、GP Writingを新設したり、また、さらに発展的に世界のビジネスや経営を論じ合うGlobal Business Issuesという授業を設けたりしています。今後、グローバルプログラムはGP mission として、グローバルプログラム全体の中核的存在として位置づけていく方向にあると思います。数年内にはGPアメリカも実現するでしょう。グローバルに世界を考えられるプログラムになるべく発展を続けます。

―GPで目指すもの。

経営学部のGPはただ英語を学習するのではなく、企業経営に関する世界的課題を英語を使って勉強する、それも体験的に学習することにあります。学生時代に国際社会の現場を見るということは、限りない影響を与えるものと思います。GPはそのような体験を通じて得た国際感覚を持った、世界に通用する人材を輩出することにあります。

―これからどのような人に参加、目指してほしいか

とにかく、将来国際社会に出たいとの目的意識を持った人です。当然そのような問題意識がある人は、英語を勉強しているでしょうし、他の外国語を勉強しているでしょう。今は、ほど遠く思えても、そういう意識を持った人は、やがて世界を舞台に活躍する機会を得る可能性は高くなると思います。GPに参加できる条件をクリアして、是非、多くの人に挑戦してもらいたいです。必ず皆さんを伸ばす機会になるでしょう。

ドボルー・フィリップ 教授

―全体を通してのGPの感想

まだまだ発展するプログラムだと思いますが、ある程度まで成功したと思います。GPに参加していた人たちは、いい勉強になっていたと思います。新しい世界の扉が開けたのではないのかなと思います。

今までGPに参加した人たちはよかった。選考は間違っていなかったと思います。

―これからの展望は

GPのテーマはCorporate Social Responsibility(CSR)とSustainable Development(SD)です。今のGPヨーロッパで会うのはILOなど高官などですが、ヨーロッパでCSRやSDを学んでいる学生に会えればいいですね。そして、学生たちと交流できれば、GPが終わってからも続く可能性があって、共同=インシアティブだと思います。

ドボルー・フィリップ 教授

中村 みゆき 准教授

中村 みゆき 准教授

―GP Asiaについて なぜGP Asiaができたのですか?

経営学部では、国際社会で活躍できるビジネスのプロを育成することが特色の一つになっています。近年、ビジネスの世界では、英語を共通語として、グローバルな視野をもった国際人がますます要請されるようになってきています。このGPは、海外での現地研修を行うことを目的として組み立てられており、国連をはじめとしてNPOのCSR関連機関や多国籍企業など世界のビジネスの現場を直接体験するというフィールド・スタディーを中心に据えた授業科目となっています。現在まで、ヨーロッパ・プロジェクトが企業の社会的責任の国際的動向を現地で学び、実績をあげてきました。本年からは世界のCSRの動向を多角的に見ていく試みとして、世界経済のなかで特に経済発展が著しいアジア諸国(主に東アジアと東南アジア)に地域を拡大したプロジェクト(GP Asia Project)が開始されるようになりました。

―GP Asiaの目的は?何を目指していますか?

上記したように、アジア・プロジェクトは、ヨーロッパ・プロジェクトに続くものとして位置づけられます。世界においてCSRが最も進んだ地域であるヨーロッパでの研修に続き、環境問題などに直面しながらも企業を発展させ、急速にCSRの取組みを進めつつあるアジア地域において学んでいくことを目的としたプログラムとなります。現在、ヨーロッパ・ブロジェクトで学んでいる国連提唱の「グローバル・コンパクト」やOECDによる「OECD多国籍企業ガイドライン」など見られるようにより高い倫理観・道徳心をもって組織を運営していくという考えがグローバルに活動する企業の世界共通の価値基準となっています。そのなかでアジア型のCSRがいかなるものであるか、その現状を学んで行くことがプログラムの主眼となっています。アジア諸国の経済が急速に発展・拡大し、それに伴うコーポレート・ガバナンスや環境など喫緊の問題が浮上してきている今日において、それらの国・地域で学ぶことは、意義のあるものとなると思われます。

―なぜ今、アジアなのか?アジアで注目すべきこと?

このようにCSRの世界的潮流を受けて、現在のアジア諸国においても各国の国情に合わせたCSR 政策を次々と打ち出すようになってきています。世界の金融市場を目指すシンガポール・香港など新興国は金融市場におけるガバナンス改革を押し進め、また途上国政府は、それぞれが抱える社会問題においてCSRの制度化をすることで解決の糸口をみつけようとするなどの動きがあります。また日本では2004年をCSR元年として企業中心にその取り組みを本格化させコンプライアンス(法令遵守)を中心にした体制構築に向けて動いていますが、これは不祥事へのリスク・マネージメント(問題解決への危機管理)という側面が強いと思います。世界の工場となった中国では環境問題が発生し、また民間レベルでの知的所有権に関する問題や食品の農薬問題など明らかにステーク・ホルダーを軽視した問題が浮上していますが、ここ1、2年に政府の強力なてこ入れでCSR対策に乗り出しています。アジア諸国ではそれぞれ固有の問題を抱えているのが実情であり、各国国情に合わせた発展が模索されています。アジアで真の公正性というCSRの根底にある倫理観・哲学を自国に消化し、体現していけるのか、真のCSRを目指していけるのかとの視点から学んでいきたいと思います。